オンライン服薬指導、山間部中心に全国展開へ 来年の通常国会で法改正目指す

スマートフォンやタブレットなど情報通信機器を使った薬剤師による「オンライン服薬指導」について、厚生労働省が山間部を中心に全国展開する方向で調整に入ったことが5日、分かった。医師によるオンライン診療はすでに認められており、オンライン服薬指導も認められれば、治療から服薬まで在宅で一体的な医療サービスを受けることが可能になる。同省は来年の通常国会で医薬品医療機器等法(薬機法)改正を目指す。

オンライン服薬指導は(1)患者はタブレットなどの画面上で医師の診察を受ける(2)医師は処方箋(しょほうせん)を調剤薬局に送る(3)薬剤師は処方箋を基にテレビ電話で服薬指導する(4)患者は郵送などで薬を受け取る-という仕組みになる見通しだ。在宅医療の環境強化が狙いで、高齢化の進展でニーズが高まっていることが背景にある。

現行の薬機法では、医師の処方箋に基づく処方薬を出すときには、誤使用による重篤な副作用などを避けるため、対面による服薬指導を義務付けている。このため、患者は調剤薬局を訪ねたり、薬剤師に自宅に来てもらったりしている。

オンライン服薬指導が認められれば、薬剤師の負担が軽減されるメリットがある。患者にとっては手軽に服薬指導を受けることができるため、治療を自ら中断してしまう患者を減らし、重症化の進行を抑えることで、医療費の削減につながる可能性がある。

すでに6月の国家戦略特別区域諮問会議で、愛知県と兵庫県養父市、福岡市が特区として認められ、(1)離島や僻地(へきち)に居住(2)オンライン診療を受診(3)対面指導が困難-などの要件を満たせばオンラインでの服薬指導が可能となった。

ただ、日本薬剤師会は「薬剤師が患者と対面により服薬指導を行うことが、安全な薬物療法を確保するうえで極めて重要だ」とのコメントを出しており、あくまで対面による服薬指導が基本という姿勢を示している。

オンライン診療を導入する際も医療関係者が難色を示した経緯がある。オンライン化すると、将来的に腕のある医者や薬剤師に患者が集中して競争が激しくなる可能性があり、医療関係者がオンライン化を忌避する要因にもなっている。

このため、制度設計は難航する可能性があり、オンライン服薬指導は「対面指導の補完」という位置づけになるとの見方もある。

2018.8.6 05:00産経ニュースよりhttps://www.sankei.com/life/news/180806/lif1808060003-n1.html