医療給付費12兆円、医療ICT化で基金を創設―2019年度予算案

 厚生労働省は2019年度、医療現場での情報通信技術(ICT)の活用を支援するための基金を創設する方針を固めた。事務手続きを効率化させ、質の高い医療の提供につなげる狙いがある。28日召集予定の通常国会に関連法案を提出する方向だ。

 創設するのは「医療ICT化促進基金」(仮称)で、19年度予算案に300億円を計上した。保険診療を行う医療機関や薬局が対象で、〈1〉マイナンバーカードによるオンラインでの患者情報の確認システム〈2〉国が指定する標準規格を用いた電子カルテシステム――を導入する際のハードやソフトにかかる費用に対して、一定の補助をする。補助額については今後、決定する。19年度以降は、対象事業の範囲の拡大も検討する。

 厚労省は20年度から、マイナンバーカードを保険証の代わりに使える制度を始める方針だ。医療機関や薬局でも、カードを読み取るシステムが必要になる。医療機関は保険証確認の事務作業が省略できるほか、患者にとってもマイナンバーカードだけで診察を受けられる利点がある。政府は現在、1割程度にとどまっているマイナンバーカードの普及につなげたい考えだ。

 また、電子カルテの標準化が進めば、医療機関間での情報の共有や連携につながる。患者にとっても、病院ごとに同じような検査を強いられるといった負担が減る可能性がある。
出典:年2019年1月15日 yomiD.r