iPS使い心臓病治療、大阪大が治験計画提出へ

 様々な細胞に変化するiPS細胞(人工多能性幹細胞)から心臓の筋肉細胞のシートを作り、重い心臓病患者に移植する大阪大チームの臨床試験(治験)について、学内の治験審査委員会が計画を承認した。チームは近く、国に計画を提出し、今年度中にも1例目の移植を目指す方針。
 治験は、医薬品や医療機器などを製造・販売するために必要な手続きで、保険適用の前提になる。同委員会が細胞の作製手順などを審査し、9月末に認めた。

 チームの澤芳樹教授(心臓血管外科)によると、iPS細胞から作った心筋細胞をシート状に加工し、重い心臓病「虚血性心筋症」の患者の心臓に貼り、安全性と有効性を検証する。移植した心筋シートが患者の傷んだ心筋の働きを補う効果が期待できるという。

 チームは昨年6月、この手法の安全性などを調べる「臨床研究」で国の承認を得たが、同月の大阪北部地震で研究施設が被災し、移植実施が遅れていた。今回、臨床研究より厳格な安全性や有効性の確認が求められる治験も始め、治療の早期普及を促す。

 iPS細胞を使った治験は、京都大が昨年10月にパーキンソン病で行った移植が1例目になる。
出典:yomiDr. 2019年10月24日