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コラム薬剤耐性(AMR)について

2022.05.11

まだまだ新型コロナウイルスの蔓延は収束していないものの、今年の大型連休では3年ぶりに行動制限がなかったり、5月5日に岸田総理大臣が「6月には他のG7諸国並みに円滑な入国が可能となるよう水際対策を緩和する」との表明をロンドンで行うなど、コロナ禍前の日常に向けて、少しずつですが戻りつつあります。

もしかしたらコロナが流行する前の状況に完全に戻ることはなく、新しい常識と生活が定着していくのかもしれませんが、様々な規制がなくなることは、国民にとって喜ばしいことだと思います。

この新型コロナウイルスの世界的な大流行は、パンデミックがもたらす影響と、私たちが普段から感染症の危機に備える必要性を世界に知らしめました。
そして、世界各地で将来の感染症リスクに対処するために必要な抗菌薬・ワクチン・診断薬の開発を促進するための政策が実施されています。

日本においても、2021年8月に開催された専門家ラウンドテーブル(AMRアライアンス・ジャパン主催)にて、将来の公衆衛生上の緊急事態に対処する手段としての医療対策(主に抗菌薬・ワクチン・診断薬)の研究開発を推進する際の課題について、議論がされています。
議論では特に、薬剤耐性(AMR)の問題に焦点が当てられました。

薬剤耐性(AMR:Antimicrobial Resistance)とは、感染症の原因となる細菌などの微生物が、治療薬に対して抵抗力や免疫力を持つようになり、これらの薬剤が効かなくなる現象です。
すでに全世界で、年間120万人がAMRによって死亡していると推定されています。
日本でも、医療関連感染の代表的な原因菌の一つであるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)と、フルオロキノン耐性大腸菌(FQREC)による菌血症死亡者数の推計は、2017年には年間約8,000人でした。これは交通事故による年間死亡者数の約2倍に相当します。
このようにAMRは深刻な問題であり、危機であるといえます。

薬剤耐性(AMR)対策については、今から7年前の2015年5月に世界保健総会で、薬剤耐性(AMR)に関するグローバル・アクション・プランが採択され、加盟各国は2年以内に薬剤耐性に関する国家行動計画を策定することを求められました。
これを受けて2016年4月5日、厚生労働省においてAMR対策アクションプランが決定されています。

ですが今現在、AMRやその対策に関する情報が、広く一般市民へに普及しているとは言えないのではないでしょうか。
次回は、薬剤耐性(AMR)を防止するために、私たちができることについてご紹介したいと思います。

出典:日本医療政策機構(レジリエンスの促進へ~次のパンデミックを解決する研究開発の加速[PDF]

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