以前の回でもお伝えしましたが、令和元年度の国民医療費の総額は44.3兆円でした。
今回はこの医療費について、診療種類別ではどのようになっているかをみてみましょう。
そもそも、診療種類にはどのようなものがあるのでしょうか。
診療種類の大きな区分は下記のとおりです。
そして医科診療医療費は、更に入院医療費と入院外医療費に分けられます。
令和元年度の医療費を診療種類別にみると、医科診療医療費は31兆9,583億円で全体の72.0%、そのうち入院医療費が16兆8,992億円で全体の38.1%、入院外医療費は15兆591億円で全体の33.9%となっています。
諸外国に比べて、日本は人口あたりの病院ベット数が多く、在院日数(入院から退院までの期間)が長いと言われており、この点が日本の入院医療費を増やしている要因の1つと指摘されています。
その他の診療種類別医療費については、歯科診療医療費が3兆150億円(全体の6.8%)、薬局調剤医療費が7兆8,411億円(同17.7%)、入院時食事・生活医療費が7,901億円(同1.8%)、訪問看護医療費が2,727億円(同0.6%)、療養費等が5,124億円(同1.2%)です。
日本の医療の特徴として、薬剤価格が高いということも挙げられているようです。
また、前年度に対する増減率をみると、医科診療医療費は2.0%の増加、歯科診療医療費は1.9%の増加、薬局調剤医療費は3.6%の増加、訪問看護医療費は15.8%の増加となっています。
出典:厚生労働省(令和元(2019)年度 国民医療費の概況[PDF])