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コラム医療費の動向(令和2年度)その1

2022.06.29

以前の回でもお伝えしておりますが、国民医療費は高齢化などの要因で年々増加しています。
そんな中、厚生労働省が公表した令和2年度の概算医療費は、対前年比で過去最大の減少率、減少額となっています。

「概算医療費」とは、医療機関からの診療報酬の請求(レセプト)に基づいて、医療保険・公費負担医療分の医療費を集計したもので、労災・全額自費等の費用を含みません。
ですので国民医療費と完全に同じではありませんが、約98%に相当するとされていて、医療費の動向を迅速に把握するための指標となっています。

令和2年度の概算医療費は42.2兆円で、対前年比がマイナス3.2%、金額はマイナス1.4兆円でした。
冒頭でも記載しましたが、この減少率・減少額は、国民医療費を算出しはじめた1954年以降で最大となりました。

令和2年度(2020年4月1日~2021年3月31日)といえば、新型コロナウイルスの感染拡大により1回目の緊急事態宣言が発出された頃からはじまり、コロナに振り回された年と言えそうです(令和3年度以降もコロナの影響は続いていますが…)。

この年の医療費減少の要因も、コロナ禍が背景にあると考えられています。

コロナ禍が医療費に影響した理由として、まず患者の受診控えがあります。
医療機関を受診するほどでもない症状であれば、この行動は適正化されたものと言えそうですが、本当は治療が必要な人が受診を遅らせることで、症状が悪化するようなことがあってはいけません。

また、新型コロナウイルス感染症対策として、人々が手洗いやマスク着用などを徹底した結果、インフルエンザや通常の風邪など病気そのものを減少することができたことも、医療費減少の要因だとみられています。
このような公衆衛生の対策は、今後も引き続き重要になっていくと思います。

次回は、医療費の動向について詳細を見ていきたいと思います。

出典:厚生労働省(令和2年度医療費の動向~概算医療費の年度集計結果~[PDF]

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