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コラム厚生労働省「雇用関係助成金」利用のメリット・デメリットは?

2023.07.12

以前に、こちらの記事で、医師の働き方改革への取り組みに対する助成金「働き方改革推進支援助成金(適用猶予業種等対応コース)」をご紹介しました。
今回は、介護人材の確保・定着を目的とする労働環境向上のための取り組みに対して支払われる「人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)」について、受給要件や申請手続きについて確認していきましょう。

と、その前に「助成金」の利用にはどんなメリット、またはデメリットがあるのか等、助成金制度について考えてみたいと思います。

厚生労働省の雇用関係助成金

厚生労働省の助成金(雇用関係助成金)は、事業主を対象とした「雇用に関すること」に対して助成されるものです。具体的には従業員の採用・教育や、定着のための職場環境整備、仕事と家庭の両立支援などが支給の対象となります。

助成金の財源は、事業主が支払っている雇用保険料です。
労働者を雇用している事業主の方にとって、助成金を受け取ることは自分たちが収めた保険料が給付されるようなもので、もらえるものなら遠慮なくもらっておくべきものとも言えます。

受給要件を満たしている上で申請をすると支給され、返済の必要はありません。

助成金を利用することのメリット

現在、助成金にはたくさんの種類がありますが、それらに共通して言えるメリットは次の2点です。

収入が得られる

助成金を利用する一番のメリットはもちろん、資金が入るということだと思います。
受給の要件を満たしている状態で必要書類を提出すれば、ほぼ確実に助成金を受け取れます。返済不要であり、使い道も決められてはいませんので、事業の運転資金やその他さまざまなことに活用できます。

職場の環境が整えられ、人材確保につながる

すべての雇用関係助成金に共通する要件として、雇用保険へ加入はもちろん、審査に必要な書類等を整備・保管していることや、管轄労働局等の実地調査を受け入れること等があります。

審査に必要な書類等には、賃金台帳等や、タイムカード・出勤簿などの勤怠に関するものが含まれているので、それらの準備を整えるためには、適切な労務・勤怠の管理が必要となります。

また、就業規則の作成や変更が必要となる助成金もあるため、受給に向けて尽力することで、結果的に職場の制度が整い、従業員が働きやすい環境を作ることになります。
労働環境がより良くなれば、既存の従業員の定着に加えて、新しく優秀な人材を採用できる可能性も広がります。

助成金を利用することのデメリット

助成金には、下記のようなデメリットもあります。利用を検討する前に、必ず確認しておくことをおすすめします。

取り組みへの労力とコストがかかる

そもそも雇用関係助成金は、雇用に関する何かしらの「取り組み」に対して支援されるものですから、何も取り組まないことには支給が受けられません。
その取り組みのために必要な業務や費用などの負担が、事業所にとって大きすぎるのであれば、デメリットであると言えるでしょう。
また助成金の申請から、審査を通過し受給できるまでには、ある程度時間がかかります。助成金の種類や各都道府県の状況にもよりますが、数ヶ月から1年程度かかる場合もあるようです。
助成金が支給されるまで、取り組みにかかったコストは自社で工面する必要があります。

申請に手間がかかる

助成金の申請には、様々な書類を準備する必要があります。その上で、管轄の労働局等からの提出要請に応じたり、実地調査を受け入れたりしなければならず、それなりに手間のかかる作業であると言えます。

助成金申請に慣れていない事業所であれば、書類に不備があったり、実は受給要件を満たしていなかった等の理由で審査に通らない可能性もゼロではありません。
そうなってしまっては、これまで助成金申請に費やしてきた作業が無駄になり、報われない結果となってしまいます。

まとめ

これまでに見てきたように、助成金の受給は事業所にとってメリットがありますが、その対価として費やす手間やコストとのバランスを考えて、利用を検討するのが良いのではないでしょうか。

とは言え、雇用に関する取り組みを行うことにより、労働者にとって魅力のある職場環境を整えることは、事業所の継続や発展に欠かせないことでもあります。
助成金の受給を目的にするのではなく、あくまで従業員との関係性向上を目指し、利用できる助成金があれば適切に活用する、という姿勢でいることが理想的なのかもしれません。

というわけで次回は、より良い労働環境を目指す介護事業者様に向けて「人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)」について詳しく見ていきたいと思います。

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